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コラム・ブックレビュー
広島在住のジャーナリストによる “書評”コーナー!
「書物の魅力」を 月1回のペースでお届けします。

村上海賊の娘
和田竜著(新潮社・上下各1600円+税)

瀬戸内海に住む人々にとって、村上水軍(海賊)の名はよく知られている。だが、活躍の詳しい実態となると、意外に知らないのではないか。「海賊」という言葉には何だかワクワクするような語感がある。そのワクワク感は、読み始めてから終わるまで無くなることがなかった。

村上水軍は、能島、来島、因島の3家に分かれていた。3家の盟主で「海賊王」と呼ばれる能島村上の当主、村上武吉の1人娘、景(きょう)がこの物語の主人公である。海賊といっても、戦国時代に制海権を握り、通行料を徴収したり、水先案内人の派遣や海上警護を請け負ったりした海に生きる一族だ。

時は戦国時代。天下統一を目指す織田信長は、敵対勢力の一向宗大坂本願寺を叩き潰そうとしていた。本願寺は毛利氏に援軍を要請。織田軍と毛利軍の水軍が激突した「木津川の合戦」が舞台になる。毛利氏に加担した村上水軍は、織田側の水軍、真鍋氏と戦う。史実の基づいた歴史巨編である。

景は、長身で怪力。女なのに海賊働きに明け暮れ、地元では嫁のもらい手のない悍婦(かんぷ)で醜女(しこめ)といわれていた。しかし、彫りが深い外国人的な顔立ちは、現代人なら美人になるかもしれない。それにしても型破りな女で、真鍋水軍の当主、真鍋七五三兵衛(しめのひょうえ)とのからみと壮絶な戦いは、ユーモアも交えて味のある展開になっている。

本の最初に、「村上海賊の娘」全体図がある。能島はしまなみ海道の伯方島と伊予大島の間に位置する小さな島だ。そして、物語の端々に瀬戸内海の知っている地名が登場する。十数年前、瀬戸内海を端から端まで取材で廻ったことがあるので、興味が尽きなかった。

この作品は、第11回本屋大賞を受賞した。全国479書店の店員605人が1次投票で10作に絞り、2次投票で決まった。本屋大賞の受賞作品は、本好きの店員が推すだけあって間違いなく面白い。今回も外れがなかった。ちなみに、著者の和田竜さんは、広島出身だということを付け加えておきたい。

【ジャーナリスト 枡田勲 2014/6/17】


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