廣文館廣文館

廣文館

店舗ごあんない
本を探す【e-hon】
本を注文するには
お買い得の本
ひろしまの本

HON-TOカード
コラム・ブックレビュー
スタッフ募集
お役立ちリンク集
会社概要
IR情報
HOME


株式会社 廣文館
〒730-0035
広島市中区本通り1-11
TEL:082-248-2391 
FAX:082-248-2393
E-mail:info@kobunkan.com
コラム・ブックレビュー
広島在住のコラムニストによる “社会時評”コーナー! 月1回のペースで「読むことの楽しさ」をお届けします。

イスラエルの旅(10)

旅の終わりに日本人のガイドさんが、「イスラエル病」という言葉を口にした。

一度イスラエルを旅すると、イスラエル病にかかってしまう。「また行きたい」と、まるで恋の病のように。この病気を治そうと思ったら、イスラエルにやってくるしかない。そうすればすぐに治ります。どうか、重いイスラエル病にかかって、またこちらへ治しにおいで下さい。

昨年春、10日間の聖地巡礼の旅をしてから早くも1年を過ぎた。シナイ山から眺めた朝焼けの山々、広大な砂漠や荒野、不思議な浮遊体験をした死海、野の花が咲き乱れるガリラヤ湖畔、歴史のある教会、そしてエルサレム…。とりわけ、オリーブ山から見たエルサレムの風景は今でも鮮明に刻み込まれている。赤い屋根にイスラエルホワイトの壁で統一された街並み、城壁に囲まれた旧市街地の中央で金色に輝くドーム。霊賛歌を歌ってキリストの足跡を訪ねた旅は、私の人生でかけがえのないひとときだった。

街やホテルなどは全体的に清潔だった。食べ物は特段美味というわけではないが、果物が豊富でおいしかった。乾燥した気候。水分補給をしないと脱水症状になるというので、いつも左手にミネラルウオーターのペットボトルを持って移動した。日差しが強くても、さらっとしていて気持ちがよかった。

日本に帰ってから聖書の世界が違って見えた。「目からウロコが落ちる」という表現はこんな時に使うのだろう。巡礼の旅のいたるところが二千年、三千年前の「聖書の世界」そのままなのだ。「あっ、ここはガリラヤ湖畔のあの場所だ」「イエスが祈ったゲッセマネの園はオリーブの古木が茂っていたなー」。聖書を読むたびに、イスラエルの記憶がよみがえってくる。

どうやらイスラエル病にかかっているようだ。この病を治すには、再び訪れるしかない。「イスラエルの旅」はこの回でひとまず終わる。また、続きの書ける日がくることを祈らずにはおられない。

【午睡/2008.6.16】


▲ページトップ back

Copyright(C)2005 KOBUNKAN.All rights Reserved.