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コラム・ブックレビュー
広島在住のコラムニストによる “社会時評”コーナー! 月1回のペースで「読むことの楽しさ」をお届けします。

《墓碑銘2015》

2015年も残りわずか。一年を顧みる時期になった。イスラム過激派組織IS(イスラム国)に振り回された一年であった。アメリカやフランス、ロシアなどのISへの空爆、そして、パリ同時多発テロなど頻発するISのテロ。この「負の連鎖」をどうやって食い止めればいいのか。アメリカのいう「テロとの戦い」が始まってから、世界は変な方向に向かうばかりである。

いささか憂鬱な気分で、今年亡くなられた人のことを思い出している。最近でいえば、12月9日に85歳で逝った作家の野坂昭如さん。終戦記念日の8月15日前後、毎年のように放映された「火垂るの墓」は涙なくして見ることができなかった。実際に妹を亡くした野坂さんの自伝的作品だ。アル中で八方破れだったが、シャイで何だか愛嬌があった。

そのほかに名を挙げると、漫画家の水木しげるさん(11月30日、93歳)、作家の阿川弘之さん(8月3日、93歳)、女優の加藤治子さん(11月2日、92歳)。水木さんの「ゲゲゲの鬼太郎」を愛読した。阿川さん著の「山本五十六」に感銘した。女優といえば伝説的な原節子さん(9月5日、95歳)も今年亡くなられたが、個人的には加藤さんの大ファンだった。

いずれも90歳を超えているので、天寿を全うしたとも言える。ただ、相撲協会の北の湖理事長(62)や女優の川島なお美さん(55)のように、50、60代の死はあまりにも若すぎる。そして、若くして逝った人たちの多くに共通するのが「がん」の病である。このコラムを書いている時に、テレビのニュースが流れた。「前広島県知事の藤田雄山氏が亡くなりました。66歳でした」。死因は肺炎ということだが、何年か前にがんの手術を受けている。

藤田氏とはいささか縁がある。知事時代に政治資金問題を取材し、追及する立場だった。墓碑銘の「しめ」が藤田氏というのも、感慨深い。

【午睡/2015.12.18】


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