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株式会社 廣文館
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広島在住のコラムニストによる “社会時評”コーナー! 月1回のペースで「読むことの楽しさ」をお届けします。

《記憶と記録》

この欄で、森友・加計問題など、安倍内閣のことを何回も取り上げてきた。書いている方も食傷気味である。それでも、もう一度書いておきたいと思う。というのも、アメリカンフットボールの悪質タックル問題で、選手だけに責任転嫁をしようとした日大監督の対応に安倍1強の政界と同じにおいを感じたからだ。

内田正人氏は、監督こそ辞任したが常務理事で人事を握る「日大ナンバー2」の権力者である。「権力は腐敗する、絶対権力は絶対腐敗する」という格言が、この件でも当てはまるだろう。政界もまた同じ。安倍1強政権は、次から次へ問題が発生している。森友・加計問題でも文書改ざん、柳瀬元秘書官の虚偽説明、麻生財務大臣の舌禍問題などなど…。今度は、加計学園の獣医学部新設を巡り、愛媛県の中村知事が交渉経過に関する新たな文書を国会に提出した。そこには、2015年2月に加計学園理事長が安倍首相と面会、獣医大新設の話をして首相が「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」とコメントしたことが記されていた。

ところが、首相は加計氏と面会したという新文書を全否定。官邸の入館記録は破棄されて残っていない。首相は加計学園の獣医学部新設計画を知ったのは「2017年1月20日」と国会で答弁している。それ以前に知っていたら、たびたび加計氏とゴルフや飲食をしたことが倫理規定に引っ掛かる恐れがあるので、誰が見ても不自然な答弁を繰り返しているのだろう。

佐川前国税庁長官、柳瀬元秘書官は国会の証人喚問で、都合の悪いことは「記憶にない」で逃げてきた。記録という証拠が出てきたら、追及されない程度に「記憶をよみがえらす」が、肝心のことはごまかす。中村知事は「職員が文書を改ざんする必要はない。それぞれが正直に話せばいい」と文書の正当性を主張した。記憶と記録のどちらが信用できるかは、明らかではないか。

これだけ不祥事が出ても、内閣支持率はあまり落ちない。落ちてもまた盛り返す。これは、他の人よりは安倍首相の方がいいのでは、という消極的支持が多いとみられる。「そのうち時間が立てば国民は忘れる」と高をくくっているのだろう。「うみを出し切る」と反省の弁を述べた首相だが、「首相そのものがうみではないか」との声すらある。国民はバカにされている。そう思わないですか、みなさん。もう一度強調したい。権力は腐敗する。

【午睡/2018.5.23】


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