書評というには邪道かもしれない。しかし、あまりにも感激したので紹介したい。
この夏、妻と一緒にスペイン・アンダルシア地方をドライブ旅行した。セビリヤ―アルヘシラス―マラガ―ロンダ―マラガ―グラナダと、レンタカーのフォルクスワーゲンで走った距離は約1000キロ。8日間の旅だった。
ヨーロッパ、それもフランスやスペインはオートマチック車が少ない。セビリヤ空港のハーツにはなくて、1カ月前の予約で、やっとエイビスで都合をつけた。とてもナビ付きを探す余裕はなかった。
従って事前に日本でスペインのロードマップを入手するのに手を尽くした。スペイン政府観光局、主な書店、アマゾン…。十分なものはなかった。
思い余ってネットでスペインの地図を探し続けた。グーグルのスペイン語表記「グーグル マップス エスパーニャ」にぶつかった。大変な優れものだった。出発地と目的地を打ち込めば、道路ルートが懇切丁寧に表示された。
出発地のセビリヤのホテルの住所と目的地のアルヘシラスのホテルの住所を入力すれば距離約184キロ、所要時間2時間5分と出て、どこのインターチェンジからどの高速道路に入り、どこの出口で降り、どの道を走ればホテルに着くかが、玄関から玄関までにわたって詳細に地図上に示された。拡大も自由、航空写真までついていた。全行程をプリントアウトし持っていった。
現地を走ってみて、これなくして1000キロのドライブは不可能だったろうと痛感している。片言の英語、フランス語はなんとかできる。が、ホテルや観光案内所などを除いて道を聞こうにもスペイン語以外はまず通じなかった。行程中のロンダは予定外のルート。グーグルの道路図を用意していなかった。あっちで聞き、こっちに尋ね、それでも思い切り迷った。
実はセビリヤ空港で車を借り出すとき、エイビスの窓口に「ナビ貸します」とあった。「これ、これ」と思って頼んだが、「1週間前に言ってもらわないとだめ」とすげなく断られた。ナビさえあれば不要な苦労だったかもしれない。
とはいえ、「グーグル マップス エスパーニャ」の正確さ、入手の手軽さは驚くべきものがある。世界は狭くなったを実感させてくれるしろものだった。個人的な感謝を込めて紹介させてもらった。 |