廣文館廣文館

廣文館

店舗ごあんない
本を探す【e-hon】
本を注文するには
お買い得の本
ひろしまの本

HON-TOカード
コラム・ブックレビュー
スタッフ募集
お役立ちリンク集
会社概要
IR情報
HOME


株式会社 廣文館
〒730-0035
広島市中区本通り1-11
TEL:082-248-2391 
FAX:082-248-2393
E-mail:info@kobunkan.com
コラム・ブックレビュー
広島在住のジャーナリストによる “書評”コーナー!
「書物の魅力」を 月1回のペースでお届けします。

オール
山田悠介著(角川文庫・552円+税)

街に出て本屋に立ち寄るのは、楽しいひと時である。どんな作家のどんな作品があるのか、ワクワクしながら眺める。そして、面白い作品を見つけた時の喜びは、また格別なものがある。

この小説も、本屋で散策中に目にした。「山田悠介」という名前も知らなかったし、作品も読んだことがなかった。彼の著作が何冊も並んでいたので、まずはどれかを読んでみようと取り上げたのが、この本である。

主人公は荻原健太郎、25歳。アパレル関係の一流企業に就職して、東京に出てきた。しかし、刺激のない毎日に嫌気がさして退職。田舎の母には退職のことを話さないまま、電柱の張り紙で見つけた「何でも屋」で働き始めるという設定である。

何でも屋には奇妙な依頼ばかり飛び込んでくる。「私を見つけて」という依頼メールは謎めいたもの。「ゴミ屋敷になっている自宅を片付けてもらえませんか。報酬は500万円」。半信半疑で現場に向かった健太郎たちを待っていたのは…。こんな話が5話。全くキャラクターの違う同僚たちや、上京してきた母との心の触れ合いもある。

読み始めてすぐ思い出したのは、三浦しをん著の「まほろ駅前多田便利軒」だ。実に面白かった。その「まほろ」には、文章も設定も遠く及ばない。ただ、それなりに楽しめる。いわばB級グルメといったところか。

ネットで調べると著者は現在、33歳。ホラー系の作品でお馴染みという。この本は、独得の毒のある設定ではなく、「青春もの」みたいだ。軽い感じで、若い人たちに人気があるのもうなずける。気楽に、ちょっと読んでみよう。

【ジャーナリスト 枡田勲 2014/4/25】


▲ページトップ back

Copyright(C)2005 KOBUNKAN.All rights Reserved.