《鯉のぼり》

セ・リーグ3連覇を成し遂げ、今シーズンは4連覇と日本一を目指す広島カープ。広島スタジアムの観戦チケットは、手に入れるのがなかなか難しい。知り合いから「カープのチケットを手に入れる方法はないか?」とよく問われる。「難しいですね」と答えるしかないのが現状である。

ただ、カープの出足は最悪だった。打てない、ピッチャーが崩れる、エラー続出…と「守りの野球」が破綻して、ぼろぼろのスタート。4月には借金8で最下位の時があった。一方、2年連続セ・リーグMVPの丸選手が移籍した宿敵・巨人は快調にトップを走っていた。カープファンの私も正直に言って「今年はダメかもしれない。3連覇でおごりがあったのでは」と思ったものだ。

ところが、5月に入って鯉のぼりの季節になると、状況が一変した。本来の“守りの野球” がよみがえり、11連勝をはじめ5月は球団新の20勝を挙げ、トップに躍り出た。貯金もセ・パ交流戦前までに「13」までできた。3連覇の立役者、1番から3番までの「田中菊丸」は、「丸」が抜け、「田中」は絶不調。それでも1番は野間選手、3番はバティスタ選手が穴を埋め、5番に定着した西川選手が期待以上の働きをしている。若手選手の育成上手と、バティスタ選手やフランソワ投手を育てたドミニカのカープアカデミーがカープを支える原動力になっている。

私の見る目がなかったのかと、恥じ入るばかりである。ただ、交流戦18試合が難関である。パリーグのチームは強力だけに、ここを何とか乗り切ってほしいと願う。広島におけるカープの存在は、想像以上に大きいと思う。好調だと広島の街が明るくなる。経済効果も大きい。それにしても、下位低迷時代から負けても負けても応援していた根っからのカープファンの私にとって、こんな時代がくるとは思いもしなかった。

杞憂かもしれないが、いつまた低迷の時が来るのでは、と心配してしまう。栄枯盛衰は世の習い。チームもファンも、強い時こそおごることなく、謙虚になってもらいたい。カープの話題でみんなの笑顔がはじける日が、少しでも長く続いてほしいと願うばかりだ。

【午睡/2019.6.5】