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株式会社 廣文館
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コラム・ブックレビュー
広島在住のコラムニストによる “社会時評”コーナー! 月1回のペースで「読むことの楽しさ」をお届けします。

大黒神島

 ちょっと古くなるが、ハナ肇の言葉に「あっと驚く為五郎」というのがあった。「瀬戸内海の無人島、広島県沖美町の大黒神島に、米空母艦載機による夜間離着陸訓練(NLP)施設を誘致」というニュースは、さしずめこの驚き言葉がぴったりくる。

 夜間離着陸訓練は、航行中の空母に夜間着艦できる技能を養う訓練。急上昇の訓練をする基地周辺の騒音は尋常ではない。神奈川県の厚木基地では、騒音訴訟で国が敗訴になり、訓練施設の移転問題が起きている。最近では事前通告もなく山口県の岩国基地で再三実施され、ひんしゅくを買っている。

 移転候補地として挙げられていた三宅島(東京都)は、住民の反対に加えて火山活動が続いていることから断念。沖美町は昨年初めから防衛施設庁に誘致を働き掛けていた、というのである。
沖美町の谷本英一町長は「過疎の町の活性化と雇用拡大」を強調する。財政難の折から多額の基地交付金が魅力ということだろう。カネになれば何でもいいのか。「貧すれば鈍する」である。大黒神島は町から約4キロにある。岩国での訓練では基地から15キロ以上離れた山口県由宇町などにもおよんでいる。騒音がうるさくないはずがない。墜落事故の不安もある。島の近くにはカキの養殖場もある。なにより、人類最初の原爆被害を受けた広島沖に、よりによって米軍基地を誘致しようという感覚に、目まいがしてくる。

 納得のいかないのは、町長からNLP施設の誘致を働き掛けたということである。失礼ながら、島の町長がこんな国策を突然ひらめくはずがない。国会議員レベルの動きがあったのではないか。何かうごめいているのを感じる。それにしても、こんな話が広島に持ち込まれるとは、なめられたものである。国策に対して広島県の藤田雄山知事が「建設すべきでない」ときっぱり言い切った。いやー、さっそうとして見えた。

【午睡/2003.01.31】


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