「マニフェスト(政権選択)選挙」とも「政権選択選挙」とも言われた、総選挙が終わった。自民対民主の戦いは果たしてどちらが勝ったのか。
民主党は40伸ばして177議席に躍進、自民党は改選前より10減らして237議席に。これだけ見ると民主党の勝ちのようだが、自民党は公明、保守新党の与党3党合わせて275議席と絶対安定多数を確保。「政権選択」という意味では、自民党が勝ったとも言える。ならば引き分けか、それとも、次の総選挙まで先送りか。
保守新、共産、社民党が惨敗し、保守新党は自民党と合流することになった。小政党には厳しい選挙になり、2大政党制に向かって進む状況である。小選挙区比例代表並立制の選挙制度そのものが、2大政党制を目指したものだから、必然の結果とも言えるだろう。政権交代可能な2大政党が競うことで緊張感が生まれ、政治がいい方向になるという前提が、この選挙制度である。
その意味では、次の総選挙がまさに決戦となるだろう。自民党と比べて、民主党のどこがどれだけいいとは必ずしも言えないが、「自民党政治も飽きたので、1度民主党に任せてみるのもいいのでは」というくらいな感じである。
それにしても、政治に対する若者の意識はまだまだ低い。政治が自分達の生活とどう関わっているのか、実感が持てないのが、大きな要因だろう。世の中のほとんどのことが、結局は政治で決まっているのを知れば、いや応なしに興味を持たずにおれなくなるのだが。
今回の選挙で、25歳になる娘が初めて投票に行った。何度も「投票に行こう」と呼びかけたせいもあったが、とにもかくにも投票して、テレビで開票速報を見たようだ。一票の行方がどうなったか、投票して初めて興味が沸いたのである。このきっかけを、政治を考える一歩にすればいいと思う。だが、投票結果が代わりばえしなければ、次から投票に行かなくなるに違いない。こうした若者を、どう政治に引き付けていくか、方策を考える必要がある。
その国の政府は、その国民のレベルを反映したもの、と言われる。言い換えれば、国民の政治レベルが上がらない限り、いい政府は持てないということである。
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