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株式会社 廣文館
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コラム・ブックレビュー
広島在住のジャーナリストによる “書評”コーナー!
「書物の魅力」を 月1回のペースでお届けします。

7年遅れ(7)

 25歳で息子が大学に入学してから2年が経過した。当然、27歳になっている。この春から3年生になる。その後を報告したい。

 先日、九州の宮崎県にある私立大学に行っている息子の元に、妻と娘の家族3人で出かけた。一度、息子の住む所に出かけて、どんな生活をしているか見てみたいと思っていた。それがやっと実現した。 土曜日の午後1時過ぎ、車で広島を出発。山陽自動車道から九州自動車道を通って、午後8時半に宮崎に着いた。息子のアパートは、10畳一間。ふとんと毛布を車で運び、そのアパートの一室で、親子4人が川の字になって寝た。狭かったが、子どもが小さかったころを思い出して懐かしい気分になった。不登校、引きこもりから抜け出した息子が、大学生として独り暮らしをしている。何か不思議な気持ちになった。寒い夜だったが、心の中は温かだった。こんなのを幸せというのかもしれない。

 造園学科で学んでいる息子は、夜、近くの居酒屋でアルバイトをしている。「○○おもしろ探検隊」というクラブにも所属して、学生生活をエンジョイしているようだ。友人達は20歳から21、22歳くらい。仲間では27歳の息子が一番年上という。それでも、一見若ぶりなので、似たような歳に見える。すっかり周囲に溶け込んでいる姿に、安心した。

 翌日、大学キャンパスを見に行った。小高い丘一帯が大学の敷地。樹木の多い、広々としたキャンパスは好感が持てた。校門に続く坂道から振り向くと、青々とした太平洋が広がっていた。水平線が見える。南国の明るい日差し。その景色のように晴れ晴れとした気持ちになった。
 大学からは、学業成績が親の元に送られてくる。優、良、可がまんべんなくある。決して優秀とはいかないが、順調に単位を取っている。その背景の生活が今回の訪問で確認できた。何とか自分のしたいことを見つけてほしい、と願っている。

 短い訪問だったが、開放的でのんびりした「南の国」で、息子の明るい笑顔を見ることができた。今度は、夏にゆっくりと訪れてみたい。

  息子の「青春」にカンパイ!

【午睡/2004.01.30】


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