牛海綿状脳症 (BSE) で、吉野家の牛丼が消えた。と思ったら、今度は鳥インフルエンザが次々発生して、鶏肉が危ない。牛肉、鶏肉とくれば、次は豚肉か。
「豚肉もそのうち危なくなる」「何を食べたらいいのか」
こんな会話が日常的になっている。
BSEの場合は、肉骨粉をエサにしていた。牛を肥育するために、牛の肉を飼料にする。つまり共食いである。いいはずがない。ただ、鶏の感染ルートははっきりしていない。渡り鳥が原因なら、防ぐのはなかなか難しい。
それにしても、京都の養鶏場はひどすぎる。鶏がバタバタ死んでいる、と分かったのは匿名の電話である。しかも、鶏の大量死が続いている最中に、鶏を出荷していた。養鶏の専門家が鳥インフルエンザでは、と思わないはずがない。わかっていながら、鶏が死ぬ前に出荷しようとしたのは明白だ。ほとんど犯罪と言ってもよい。
目先の利益にとらわれて隠そうとしたことで、被害を拡大してしまった。山口県阿東町の養鶏場で発生した鳥インフルエンザは、迅速に報告をして、周囲30キロ以内を封鎖し、被害を拡大しないで終息させた。その教訓がまったく生かされていないのは残念だ。
鳥インフルエンザやBSEなどをみると、動物たちが逆襲しているのではないか、と思ってしまう。人間は、食うために動物を改良し、狭いところで大量に飼育。効率ばかり考えて、大量生産、大量消費している。そのしっぺ返しを受けているのでは。これだけ好き勝手していれば、逆襲に遭うのは必然とも言える。人間はもっと謙虚にならないといけない。「足るを知る」ことが必要だろう。
グローバル化もいいが、もっと足元を見つめて、地産地消を心掛けてみてはどうか。動物や自然と共に生きる、という原点に戻りたい。
|