廣文館廣文館

廣文館

店舗ごあんない
本を探す【e-hon】
本を注文するには
お買い得の本
ひろしまの本

HON-TOカード
コラム・ブックレビュー
スタッフ募集
お役立ちリンク集
会社概要
IR情報
HOME


株式会社 廣文館
〒730-0035
広島市中区本通り1-11
TEL:082-248-2391 
FAX:082-248-2393
E-mail:info@kobunkan.com
コラム・ブックレビュー
コラム 広島在住のコラムニストによる “社会時評”コーナー!
月1回のペースで「読むことの楽しさ」をお届けします。

1年で1番寒い時期

 暖冬といわれていたが、そう単純にはいかない。1月、2月は、平年通りの寒さになった。2月1日には寒波が押し寄せ、広島地方の平野部でもドカ雪となった。

 もっとも、私が小さいころ(昭和30年代)には、瀬戸内海の島でも一冬には何回か雪が積もり、小学校の校庭で雪だるまを作ったり、雪合戦をした思い出がある。そのころに比べれば雪は少なくなっている。これも地球温暖化の影響だろう。

 人が亡くなるのは、この寒い時期と、真夏の暑い時期とよく言われる。高齢者が厳寒、猛暑に弱いのは、さもありなんと思う。なぜこんな話を始めたかというと、この1月に4回も葬儀に出席したからである。うち、3人は親戚、もう1人は大変お世話になったおばちゃん。いずれも80―90歳なので、歳に不足はないが、訃報を聞いたとき「しまった」と悔やむことが多い。

 お世話になったおばちゃんは、6年間近所に住んで、私の子どもが小さかったころ、孫のように面倒を見てもらった。昨年末、入院していると聞いて、病院に見舞いに行こうと思っていた。だが、元気そうだというので、正月明けに延ばした。ところが、1月2日、突然の訃報である。もう一度、話を聞いておきたいことがあったのに、と悔やんでももう遅い。思い立った時に、さっと動くことの大切さを思い知らされた。反省である。

 親孝行をしようと思った時には、親はもういないもの、とよく言われる。まさに、その通りである。親が長く患い、その世話をした子どもは、親の死を比較的穏やかに迎えることができる。親の面倒を見るということは、自分が納得するためと言ってもいいかもしれない。ところが、親が若くして突然死んだりしたときは、その後ずっと悔やみ続けることになる。

 いずれ、自分もその時がくる。これからの余生をどう生きていこうか。そんなことを葬儀の席で考えた。4日は立春。寒い中にも、春の兆しが少しずつ見えてくる。それを見つけながら、暖かい春に思いをめぐらすこの時期も悪くない。

【午睡/2005.02.03】


▲ページトップ back

Copyright(C)2005 KOBUNKAN.All rights Reserved.