海を越えたら上海/どんな未来も楽しんでおくれ
海の向こうは上海/ながい汽笛がとぎれないうちに
海を越えたら上海/君の明日が終わらないうちに
井上陽水の「なぜか上海」を聴くたびに、自分の中で上海のイメージが広がっていた。西安から飛行機で上海空港に。迎えてくれたのは摩天楼だった。国際的な経済、金融、貿易センターとして躍進する勢いが伝わってくる。描いていたイメージは損なわれなかった。
とりわけ夜の上海。河面の夜景は幻想的で素晴らしかった。ホテルのレストランで食べた上海蟹も絶品。思わず、紹興酒の量が増えた。また、古いジャズバーの雰囲気もなかなかのものだった。神秘的な東洋の文化にフランスやイギリスの文化が入り交じった、一種独特のハイカラな街並が形成されている。高層ビル街に今、世界一の高層ビルが建設中だった。日本資本の森ビルが建てるそうだ。さすがは国際都市である。
ただ、いささかくたびれたのは、「千円」「安いよ」と日本語で追っかけてくる土産売り。断ると同じ千円で30枚のハンカチが60枚にもなり、スイス製の高級時計(もちろん偽物だが)や皮の財布が同じ2個、3個となる。そのしつこさ(いやバイタリティーと言うのだろうか)には恐れ入った。
目覚ましい経済発展の陰で、ひずみも増大している。この混沌としたところがまた上海の魅力なのだろうか。2、3年後に来たら、また大きく変わっているのではないか、と思う。もう一度行ってみたい。
九州の博多まで飛行機で1時間半ほど。海を越えたら上海である。
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