4月24日、中国新聞の一面は興味深かった。
トップに「衆院千葉7区補選 民主・太田氏が初当選」、左肩に「東広島市長に蔵田氏」、真ん中に「新・岩国市長に井原氏」とそれぞれ大きな見出しが踊る。
簡単に説明すれば、千葉7区は民主党の小沢一郎氏が代表になって初めての国政選挙。小沢代表、小泉首相の「小小戦争」として注目を浴びていた。955票差の大接戦だったが、偽メール問題で自滅していた民主党が息を吹き返した感じである。
東広島市長選は、自民党政調会長で小泉首相の腹心である中川秀直氏の二男、俊直氏が自民系無所属で出馬。同じ自民系無所属で元県議の蔵田義雄氏と一騎打ちになり、中川氏が敗れた。
岩国市長選は、元市長の無所属、井原勝介氏が、無所属の味村太郎氏(自民推薦)を大差で破って当選した。米海兵隊岩国基地への空母艦載機移転案に反対する井原氏の勝利は、小泉政権にとって痛い敗戦である。もう一つ、3面に沖縄市長選で民主党などが推薦する東門美津子氏が自民推薦候補を破った、と報じている。
昨秋の衆院選で、小泉劇場型選挙をしかけて大勝した自民党が、見事に枕を並べて討ち死にした。「潮目」なのだろうか。「奢るもの久しからず」なのだろうか。「小泉劇場型が飽きられた」のだろうか。
最近、小泉「改革」の陰の部分として格差の拡大がよく取り上げられる。市場原理主義による弱者切り捨て政治の問題点に、ようやく光が当てられるようになった。もちろん、改革が全て悪いと言っているのではない。改革の名のもとに進む、厳しい格差社会をしっかりと見つめる必要があろう。短いスローガンを「分かりやすい」と誤解しないように。気がつけば自分が下層社会に置かれているかもしれないのだから。
|