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広島在住のコラムニストによる “社会時評”コーナー! 月1回のペースで「読むことの楽しさ」をお届けします。

イスラエルの旅(1)

イスラエルというと、中東紛争を思い浮かべる。中東戦争は第四次まで繰り返し、和平の道は遠い。戦争となると、イスラエル軍がシリアやレバノンを空爆し、戦車が侵攻する映像が流れてくる。そしてアラブ側の自爆テロ。血と血の連鎖。アラブとユダヤの対立は地球がある限り、永遠に終わらないのではないかと思ってしまう。

イスラエルに対しては危険なところ、というイメージが強い。それでも、二千年、三千年の歴史がそのまま残る聖書の世界を訪れてみたい、というのは長年の夢だった。

イスラエルの旅を知り合いに話すと、ほとんどの人が「危なくないのか」と尋ねる。「いったん国に入ると治安はいいようですよ」と答えたが、自分自身も半信半疑。不安もあったが、それ以上にイスラエルに対する興味があったのである。百聞は一見にしかず。

3月28日夜。広島のメンバー23人のツアーで、ウズベキスタン航空で関空から出発した。ウズベキスタンの首都タシケントまで9時間。3時間ほどの待ち時間を経て、5時間でイスラエルのテルアビブ空港に到着した。時差は7時間。イスラエルはまだ朝だった。気温は日本より少し暖かい程度。テルアビブの空港はきれいだった。

入国審査は予想通り厳しかったが、緊迫した雰囲気はない。テルアビブというと、日本赤軍の岡本公三が1972年に空港乱射事件を起こしたことぐらいしか頭に浮かばない。

全員そろってバスに乗り込んだ。空気は澄み切って、乾燥している。ベージュがかった白い石でできた建物が並び、街並みは美しい。シナイ山、死海、ガリラヤ湖、エルサレム…。あこがれの地、イスラエルの旅が始まった。

【午睡/2007.04.18】


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