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コラム・ブックレビュー
広島在住のコラムニストによる “社会時評”コーナー! 月1回のペースで「読むことの楽しさ」をお届けします。

イスラエルの旅(2)

朝、テルアビブ空港に到着し、いよいよイスラエルの旅が始まった。

海岸線に沿ってバスで5分、ヤッファ(ヨッパ)の街に。4000年前からの港町である。聖書の世界の第一歩は、「皮なめし職人シモンの家」。狭い路地の石畳を歩くと、シモンの家があった。イエスの弟子ペテロは、一時ここに滞在し、死者を蘇らせるという奇跡を起こした、と聖書にある。シモンの家には今も人が住んでいるが、門は開けてくれなかった。

シモンの家から低い丘に上がると、地中海が見渡せた。海岸沿いにユダヤ人の街が広がっている。日差しは強いが、木陰に入ると涼しい。空気は乾燥して心地よい。

ヤッファから南下し、ネゲヴ砂漠を何時間もバスで走る。延々と続く荒野である。イスラエルの南半分は、こうした砂漠地帯が広がっている。途中にこの砂漠に住むベドウィン族の小さな住居が点在する。

イスラエルの初代大統領のベン・グリオン氏は、「イスラエルの将来はこの砂漠をいかに活用できるかにかかっている」と訴え、ベン・グリオン大学を創設。大学の中には砂漠研究所がある。ベン・グリオン氏は政治から引退後は、ネゲヴ砂漠に開いたキブツに住み、砂漠の開拓に力を注いだという。

ネゲヴ砂漠を突っ走ると、イスラエルの最南端の町エイラットに至る。紅海のアカバ湾の奥にあるリゾート地だ。そのエイラットに向かう途中のミッペ・ラモンの町に一泊。この町の近くに、アメリカのグランドキャニオンのように雄大な大クレーターがある。地球の地殻変動と雨水の浸食作用によってできたクレーターの壮大さに目を見張る。どこまでも続くような赤い土の荒野を見ながら、これまでイスラエルという国をあまりに知らなかった、としみじみ思った。

標高500メートルほどの崖の上にあるミッペ・ラモンのホテルはしゃれた建物だった。明日は、エイラットからエジプト領のシナイ半島に向かう。モーセの十戒で知られるシナイ山に登るのである。

【午睡/2007.05.29】


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