今年も押し迫って、地元新聞社に「2008年10大ニュース」が載っていた。
国内は「福田氏辞め 麻生氏後継」がトップ。2007年は「参院選で自民党が歴史的惨敗」が1位で、「安倍晋三首相が突然退陣。後任に福田康夫氏」が2位だった。政権投げ出しのニュースが2年続くところに、日本政治の機能不全が象徴的に表れている。
海外のトップニュースは「米国初の金融危機拡大」である。米国初の金融危機に端を発した世界不況の波は、日本にも押し寄せている。株価はバブル後の最安値を更新、自動車企業などの業績は急速に悪化。世界のトヨタも営業赤字に転落する見通しだ。
職を失い、住む場所も追われる派遣社員…。新聞、テレビで連日報道されるのは気が滅入るようなニュースばかり。師走の風がひときわ寒く感じられる。ここが政治の出番なのだが、麻生首相は相次ぐ迷走発言で支持率が低下する一方だ。「選挙の顔」のはずが、衆院の解散も「いま選挙をすれば負ける」と先送り。肝心の経済対策もスピード感にかける。
今年の一年を象徴する一字は「変」。米次期大統領の掲げる「チェンジ」ならいいのだが、日本政治はどうにもならない変な感じである。「漂流日本」というのが一番、現状を表しているのではないか。
ため息ばかりつきながら、年の瀬を迎える。来年はさらに厳しくなるとの見通しもある。ただ、嘆いてばかりいても展望は開けそうにない。この閉塞感をどう打ち破っていけばいいのか。どうも、これまでの価値観を「チェンジ」する必要がありそうだ。正月は、そんなことを考える時にしたい。 |