健康なときは考えないが、体調が悪くなると「人間の体」について思いを巡らす。そして、つくづく思うのは「人間の体のすごさと、不思議さ」である。
昨年の秋ごろから、肩がおかしくなった。いわゆる「50肩」。肩の関節周囲炎、というらしいが、夜中にうずいたり、ひどいときには手が上がらなくなる。痛むときは整形外科で肩に注射をしてもらっていた。
それから、両手がしびれ、クビから頭にかけて重い感じが続く。整形外科の見立ては、頸椎の骨の間が狭くなっているのが原因、という。昔、車で追突されてむち打ち症になったことがあるが、それに加齢現象が加わったようである。
年末、年始あたりから首、肩、手の具合は悪くなるばかり。整形外科で首のけん引を続けたが一向によくならない。友人に紹介してもらった接骨院や整体でマッサージ、鍼灸院で針治療といろいろ試しているが、なかなか快方に向かわない。時には、足が痛くなって、片足をひきながらやっとのことで歩けるという状態だ。
人間の体は精密にできているだけに、一つ狂うとあちこちに影響が出る。右手が痛いと、それをかばって今度は左手が痛くなる。体の小さな部分、部分がこんなにも大事ということを思い知らされた。体調が悪いと、外に出るのもおっくうになり、本が読めない。気分が落ち込んで、好きな酒も飲む気にならない。うつ病になるのでは、と思ったりもする。
年を重ねれば、人間の体はどこか悪くなったりするものである。そこを折り合いながら生きていくしかないのだろう。ある人からは「還暦になって体が変わろうとしているのでは」と指摘された。そういうこともあるのかも知れない。それにしても、健康のありがたさを改めて思う。
昨年まで、大先輩とゴルフを一緒に回ることがよくあった。その元気さにいつも感心していた。「70歳でゴルフ」は一つの目標である。ゴルフができるということは、健康の一つのバロメーターといえる。仲間とワイワイ言いながら楽しくラウンドできるように、早く元気を取り戻したい。
こんな状態になって、体の悪い人の気持ちが少しは分かるようになった。人間の体の不思議さに改めて目を見張ることができた。それが救いか。 |