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株式会社 廣文館
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コラム・ブックレビュー
広島在住のコラムニストによる “社会時評”コーナー! 月1回のペースで「読むことの楽しさ」をお届けします。

東日本大震災

テレビを見ながら声を失ってしまった。巨大な津波が堤防からあふれ出し、船や車、家を根こそぎ飲み込んでいく濁流。生々しい津波の映像が何度も映し出される。まるで映画を見ているようだが、現実なのである。

インドネシアのスマトラ島沖の地震と津波では20万人が犠牲者になったが、「他の国の出来事」という感覚があって、もう一つ実感がわかなかった。ところが今回の津波は、北海道から沖縄まで広大な範囲に及び、他人事ではない。

ほとんど壊れてしまったかのような菅政権の政治状況に、今度は国土が壊れるという状況が加わった。1995年の阪神大震災の時もそうであったが、最初の一報から時間がたつにつれて、被害がどんどん広がっていった経緯がある。阪神大震災は6000人の犠牲者が出た。今回の東日本大震災もこれからどれだけ犠牲者が増えるのか、と思うと背筋が寒くなる。

さらに悪いことには、東京電力福島原発で国内初の「炉心溶融」が起きてしまった。燃料の一部が溶けて放射性物質が漏れ出したということである。被曝者もでている模様だ。地震国日本で恐れられていた原発の事故が発生したのだ。

ところが、事故を説明する経産省原子力安全・保安院の記者会見はあまりにもお粗末。東京電力の対応もこれまたお粗末だ。情報をきちんと出して納得のいく説明が不可欠である。原発は国策で進められている。ところが、その安全をチェックする保安院が国の機関である。原発政策は、アクセルを踏む人とブレーキをかける人が同じ、というところに問題があるように思える。

おぼれかかった菅政権が浮上できるどうかは、未曾有の災害に的確にどこまで対応できるかどうかにかかっている。既に、いろいろな不備や対応のまずさが指摘されている。被災者は途方にくれている。精神的なショックも計り知れない。災害救助や援助、そして回復にむけて、踏ん張りどころだ。不信感が高まるばかりの政治は、いまこそ汚名ばん回の時である。

【午睡/2011.3.14】


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