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コラム・ブックレビュー
広島在住のコラムニストによる “社会時評”コーナー! 月1回のペースで「読むことの楽しさ」をお届けします。

がんばれ!日本

今月初め、台湾へ行く機会があった。そこで、最初に驚いたのは、台湾の桃園空港に着くと、日本人は放射線の検査を受けなくてはいけなかったことだ。
福島原発が大変なことになって、台湾の多くの人は「日本全体が放射能の汚染にさらされてる」と思っている。

海外の人たちはチェルノブイリの原発事故と同じレベルで心配しているようだ。台湾人と話をしていると、「広島は大丈夫なのか」と問われた。「原発のある福島は広島から800キロ離れている」と説明すると、少しは納得してくれた。海外から日本への観光客は激減している。風評被害を何とかしなければ、と切実に思う。

地震、津波、原発という未曾有の災害から、もうすぐ1カ月になる。被災地の惨状はテレビや新聞で連日報じられている。復興への道のりは、厳しく遠い。だが、日本人は敗戦の焼け野が原から見事に立ち上がった。何年かかるかわからないが、このタイトルのように「がんばれ!日本」である。

台湾でも、観光地や免税品店などで「がんばれ!日本」「被災地に支援金○○送りました」などの看板が架かっていた。世界中のいたるところで、日本への援助が広がっている。各国政府だけでなく、スポーツや音楽界などさまざまな団体が日本への支援を呼びかけて活動してくれている。本当にありがたい。「われわれは地球人」だと実感する。

それにしても、災害復旧を指揮する日本政府の頼りなさは目を覆いたくなる。政界もこの国難にどれだけ協力して立ち向かうかが問われている、という自覚を持ってほしいのだが…。

嘆いてばかりいても始まらない。一人ひとりができることで貢献していくことが大事なのだろう。がんばろう、ニッポン。沈没してなるものか。

【午睡/2011.4.8】


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