廣文館廣文館

廣文館

店舗ごあんない
本を探す【e-hon】
本を注文するには
お買い得の本
ひろしまの本

HON-TOカード
コラム・ブックレビュー
スタッフ募集
お役立ちリンク集
会社概要
IR情報
HOME


株式会社 廣文館
〒730-0035
広島市中区本通り1-11
TEL:082-248-2391 
FAX:082-248-2393
E-mail:info@kobunkan.com
コラム・ブックレビュー
広島在住のコラムニストによる “社会時評”コーナー! 月1回のペースで「読むことの楽しさ」をお届けします。

《カオスの時代》

2013年はどんな時代になるのだろう。「カオス(混沌)の時代」といわれるが、もうかなり前から続いているように思える。師走総選挙で民主党が惨敗、自民党が圧勝して安倍政権ができたばかり。3年前の総選挙とまったく逆の形で、まるでオセロゲームを見ているようだった。

選挙で気になったのは、多くの政治家たちが経済成長の達成を公約に掲げていたことだ。成長に必要なのは、国民の消費支出である。だが、各家庭は物であふれかえっている。これ以上、何を買わそうというのだろうか。

欲望は果てしない。その欲望を満たす成長路線を続けていたら、いずれ地球は壊れてしまうだろう。人口が減少している日本は、成熟社会である。大量生産・大量消費の社会から、物を大事にする社会へ転換していくべきではないのか。つまり、「成長至上主義から脱成長へ」とライフスタイルを切り替えていかなければならない時である。脱原発もその一環であろう。

ところが、卒原発を掲げた日本未来の党は、民主党と一緒に選挙に惨敗。果ては、選挙後に分裂し、嘉田由紀子党首は辞任した。自民党政権に戻ったとたんに、民主党政権が唱えていた脱原発は、原発推進の方向に一転してしまった。福島の原発事故は、人類の未来にとって原発をなくしていくことがひつようだという警告ではなかったのか。

日本財政は、1000兆円という大借金を負っている。それなのに、国債という借金をさらに増やそうとしている。これでは、財政赤字で破綻したギリシャと同じ道を歩むのは目に見えている。

「もったいない」という言葉が少し前に見直されたが、また「経済成長」の名の下に、ないがしろになっていきそうだ。「足るを知る」という言葉がある。 果てしない欲望とは、もうおさらばしよう。静かに、穏やかに、質素に生きたい。カオスの時代に、そんなことを思いながら新年を迎えている。

【午睡/2013.1.4】


▲ページトップ back

Copyright(C)2005 KOBUNKAN.All rights Reserved.