今、プロ野球が熱い。仙台市を本拠地にする楽天が、球団創設9年目にして初めてパ・リーグ優勝を決めた。2011年の東日本大震災を乗り越えての栄冠だけに、ひと際うれしいだろう。まさに「東北の底力」を見せてもらった。同じような地方都市球団である広島カープのいちファンとして、心から「おめでとう」と言いたい。
仙台の楽天ファンの気持ちが良く分かる。というのも、1975(昭和50)年にカープが初優勝した時の記憶が今でも残っているからだ。Bクラスの常連で、前の年は最下位だったカープがまさか優勝するなんて誰が思ったことだろう。まさに奇跡だった。広島の街が狂喜乱舞に包まれたのは当然である。
そのカープが25日にクライマックスシリーズ(CS)に初の進出を決めている。翌日の中国新聞は一面トップで伝えた。CSの制度ができて7年目。3位になると、あわよくば日本シリーズに進出して日本一になる可能性がある。この制度は、いささか矛盾はあるが、ペナントレースの後半を盛り上げるのに役立っているのは確かである。
長いペナントレースならともかく、短期決戦になると力の上位チームが必ず勝てるという保証はない。カープは1991年のセ・リーグ優勝から22年もたっている。カープががんばると広島の街が元気になる。昨年はサッカーのサンフレッチェ広島が優勝して、大いに盛り上がった。今度はカープが、と広島市民は期待をかける。
CSの第1ステージは10月12日、甲子園球場で阪神とすることになるだろう。たかが野球、されど野球である。スポーツの力はなかなかのものがある。いろいろ問題は残っているが、オリンピックの東京招致が決まった時は、日本全国が明るくなった感じがする。
まずは、大いにCSを楽しみたい。
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