広島を襲った集中豪雨による土砂災害。「2014年8月20日」は忘れられない日になった。9月1日の段階で、死者72人、行方不明2人。とりわけ安佐北区八木地区は死者・行方不明合わせて51人もの犠牲者が出た。被害の状況は、新聞やテレビで連日、集中的に報道されたので詳述しない。犠牲者の方々に心からお悔やみを申し上げたい。
ここ数年、東北大震災や台風の被害など大災害が相次いでいる。日ごろ、20歳前後の大学生の話を聞くと「広島は台風も地震もなくて災害のないいいところ」という声が多かった。 しかし、団塊世代の私たちには、これまで広島地方が大災害に襲われた記憶が残っている。
例えば、土砂災害といえば、1999年6月29日の集中豪雨被害がある。広島県内で合わせて32人の死者と行方不明を出した。私が住んでいる廿日市市に近い広島市佐伯区五日市では土砂崩れで大きな被害を受けた。
台風でいえば、1991年9月27日の台風19号は、広島地方を直撃した。瞬間最大風速58・9bを記録。宮島の厳島神社の能舞台が壊され、廿日市市でも民家の屋根が吹き飛ばされたりした。さらに、強風などによる電線の切断で県内66%の96万戸が停電した。停電が長期になると、冷蔵庫はもちろん風呂、水洗トイレなどが使えなくなり、日常生活がまともにできなくなってしまうことを実感した。
遠い昔のように思えるが、台風19号が23年前、土砂災害が15年前である。状況が違うとしても、教訓が十分生かさたとは思えない。それにしても、最近の集中豪雨はこれまでの常識を超える。海水温の高さが台風やその引き金になっている、と専門家は分析している。
豪雨災害をはじめとする異常気象は、日本だけではなくて世界規模である。やはり地球温暖化の影響が根底にあるようだ。いわば、人間が環境を破壊して引き起こした災害と言える。人類が破滅に向かっているかもしれないのに、戦争や紛争をしている時ではないと思うのだが…。
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