17日間のリオデジャネイロ・オリンピックが、21日、終わった。この間、西日本は猛暑が続いた。日本とブラジルは時差が12時間。寝苦しい夜にテレビで五輪観戦の毎日で、いささか疲労困憊である。ただ、開幕まではドーピング問題や治安など不安要素の大きかった大会だったが、大きな混乱もなく幕を閉じてほっとしている。
それにしても、五輪の熱戦はさすがに感動的な場面やドラマに満ちている。思わずテレビに向かって歓声を上げている自分に気付いて、苦笑してしまった。初っ端から競泳・萩野選手の金メダル。柔道、体操、レスリング、テニス、卓球、バドミントンとメダルラッシュが続いた。そして締めは陸上男子400bリレーだった。とりわけ400bリレーは米国を破っての銀メダルという、想像を超える活躍に日本中が沸いた。その映像を何度見ても心が熱くなる。
メダルを取った選手たちは、帰国後もテレビ局のはしごで引っ張りまわされている。しんどいだろうが、うれしい悲鳴ではないか。日本選手団が獲得したメダル総数は史上最多の41個だった。メダリストの中で、最も印象に残ったのは「霊長類最強の女子」と言われているレスリング女子53`級の吉田沙保里選手である。4連覇の夢が破れ、泣きじゃくる顔が何とも言えなかった。「銀メダルでここまでなさけなさそうな顔になるのか」と思いながら、ついつい見入ってしまった。人ごとと言われるかもしれないが、霊長類最強と言われて勝ち続けるよりも、「負ける姿も見せて人間らしい」と思うのは、私だけだろうか。
次は、4年後の2020年東京オリンピックである。ちょっと心配なのは、7月24日から8月9日までという開催時期だ。炎天下で競技する選手も、それを見る人にとっても、この時期の開催はちょっと酷である。地球温暖化が進む中で、さらに暑くなると思うとぞっとする。1964年の前回東京五輪は10月の秋開催だった。連日の猛暑、炎暑にあえいでいる身としては、もっと涼しい季節にしてほしいと願う。
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