2年前、この欄で「孫育て」を書いた。孫娘が2歳9カ月から3歳5カ月までの8カ月間、じいちゃん・ばあちゃんが預かった「楽しくて、しんどい」生活である。今度は、正月から春休みまでの3カ月間、預かることになった。
現在、5歳半。2年間でかなりパワーアップしている。たどたどしかったおしゃべりが、かなり論理的になっている。いいかげんな言い方をすると、鋭く指摘されてしまうこともある。まるで大人のような会話と幼子の会話が同居するアンバランスさが、なんともかわいい。
小椋佳の「シクラメンのかほり」に、「疲れを知らない子供のように」という歌詞がある。まさにこの言葉どおり。とにかく外に出て、疲れを知らないように走り回るので、ついていけないのである。ある日、広い公園で孫が走り、私がその後を追っかけていると、すれ違った年配のおじさんが「活発なお子さんですね。大変でしょう」と声を掛けてくれた。多くの子どもが遊んでいる中でも、とりわけ元気がよく見えたのだろう。年々体力の衰える老夫婦に対し、パワーアップするばかりの孫に、対応できない場面が増える。
いたずら盛りで、叱ると、「じいちゃん怖い」「じいちゃん、あっちへ行って」と反発される。「うるさい」と憎まれ口もたたく。何かに集中しているかと思うと、ころっと気が変わる。一緒に遊んだり、公園に行ったり、風呂に入れたりと付きっ切りになる。気が付けば一日が終わるという感じである。大人2人が完全に振り回されている日々だ。
前回も感じたのだが、この時期いろんなものを次々と吸収している。それだけに、いろんなものを見せてやりたい、とあちこちに出かける。何でも自分でしないと気が済まないので、できるだけ体験させて気長に見守る。そして、一日一日成長している姿を見ていると、「人間って不思議だなー」とつくづく思う。最初はスカイプで母親と話をすると里心がついて泣いたりしていたが、しばらくするとすっかり慣れて、何でも言うことを聞いてくれる「2人の従者」との生活を謳歌しているようだ。
かわいい盛りの孫との時間は、疲れはするが最高に幸せなひとときだ。心配なのは、春休みになって孫が親の元に帰っていった後である。「孫ロス」の対策を考えなくては、と今から案じている。
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