ネット時代である。そのネットで今、「ご飯論法」が話題になっている。法政大学の上西充子教授がツイッターに投稿し、国会審議でも引用された。ツイッターの一文を読むのが分かりやすいので、ちょっと長くなるが引用したい。
Q 「朝ご飯を食べなかったのですか? A 「ご飯は食べませんでした(パンは食べましたが、それは黙っておきます)」
Q 「何も食べなかったのですか?」 A 「何も、と聞かれましても、どこまでを食事の範囲に入れるのかは、必ずしも明確でありませんので…」
Q 「では、何か食べたんですか?」 A 「お尋ねの趣旨が必ずしもわかりませんが、一般論で申し上げますと、朝食を摂る、というのは健康のため、大切であります」
Q 「いや、一般論を伺っているんじゃないんです。あなたが昨日、朝ご飯を食べたのかどうか、問題なんですよ」 A 「ですから…」
Q 「じゃあ、聞き方を変えましょう。ご飯、白米ですね、それは食べましたか」
A 「そのように一つのお尋ねにこたえていくことになりますと、私の食生活をすべて開示しなければならないことになりますので、それはさすがにお答えすることは大臣としての業務に支障をきたしますので」
こんな、ごまかしやすり替えが国会で繰り返されている。疑惑は解明されず、時間だけが空費――という指摘である。
森友・加計問題を巡る政府側の答弁にうんざりしている方は、「その通り」と思わず手を叩いてうなずくのではないか。安倍首相、菅官房長官、柳瀬元首相秘書官、加藤厚労相らの答弁を検証すれば、典型的な「ご飯論法」だということが分かる。
国会で野党がモリカケ問題を追求し、マスコミが連日この問題を取り上げていることについて、「もっと大事なことがあるだろう」という批判がある。だが、政府がご飯論法で国会や国民を愚弄していることに、どうして怒らないのだろうか。与党・自民党のみなさんも、バカにされていることに気が付かないのですか? 何だか、前回のコラムと同じような「しめ」になって、ごめんなさい。
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