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株式会社 廣文館
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コラム・ブックレビュー
広島在住のコラムニストによる “社会時評”コーナー! 月1回のペースで「読むことの楽しさ」をお届けします。

《2018墓碑銘》

2018年も押し迫り、1年を顧みる時期になった。その年の世相を表現する“今年の漢字”は、「災(サイ、わざわい)」。確かに、広島県は7月に大きな土砂災害に見舞われた。全国を見渡しても地震、台風、水害などまさに「災害列島」という表現がオーバーではない年だった。

災害の犠牲になる死に方は、あまりにも悲しい。それでも、人間は寿命がくれば必ず死ぬ。その運命から免れない。今年も多くの方が亡くなられた。その紹介の前に、私事をお許し願う。私の母が4月28日に亡くなった。103歳だから、まさに天寿を全うしたといえる。介護の期間が長かったので、悲しくてたまらない、という気持ちはない。ただ、母という存在は何ものにも代えがたい存在だったのだと、改めて思い知らされた。これは多くの人が同じ思いではないか。

墓碑銘を探していると、スポーツ選手では1月4日に星野仙一さんが70歳で亡くなっている。そして、4月23日には衣笠祥雄さん(71)も逝った。野球ファンには記憶にも記録にも残る名選手である。2人とも私と同級生なので、個人的にも感慨深い。芸能界では大杉蓮さん(2月21日、66歳)、樹木希林さん(9月15日、75歳)、菅井きんさん(8月10日、92歳)はしぶい脇役として光っていた。いい脇役が映画やドラマの良し悪しを決める、というのが私の持論である。

政治家では野中広務さん(1月26日、92歳)。亡くなった時、この欄で取り上げている。ハト派の論客で、部落差別という十字架を背負って権力闘争の修羅場を生きた保守政治家を記憶に留めておきたい。ジャーナリストとしては新聞記者だった岸井成格さん(5月15日、73歳)。TBSの「ニュース23」や「サンデーモーニング」で権力におもねず、ずばりと批判をしていた姿が印象に残っている。

ジブリ映画「火垂るの墓」を撮った高畑勲監督(4月5日、82歳)、脚本家の橋本忍さん(7月19日、100歳)、作家の石牟礼道子さん(2月10日、90歳)も忘れがたい。石牟礼さんは1969年、「苦界浄土 わが水俣病」で大宅壮一ノンフィクション賞に選ばれたが、「まだ苦しんでいる人がいる」と受賞を辞退した。もう一度、その著書を読み返してみたい。合唱。

【午睡/2018.12.25】


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