残暑は当分続くだろうが、朝晩はめっきり涼しくなってきた。夏の終わりである。巷の片隅から眺めていたら、この夏もいろんなことがあった。残念ながら、国内外とも、あまりいい方向に進んでいないという思いが強い。
7月には参院選挙があった。自民党が少し議席を減らしたが、野党のだらしなさに救われて安倍一強体制は揺らいでいない。圧倒的な多数を占めると、人はおごってしまう。もう少しお灸をすえてほしかったのだが、とあきらめの境地だ。
世の中も、煽り運転事件で大騒ぎになった。あちこちの高速道路で煽り運転をしたあげく、運転していた人をなぐった男は同乗していた女とともに逮捕された。ドライブレコーダーに記録されていたので、申し開きはできないだろう。どうしようもない男ではあるが、その後のネットのバッシングがいささか怖い。ネットのウソ情報で、同乗していた女と間違われる被害を受けた女性もいる。ネット社会は、誰でも簡単に情報を発する便利さを手にしたが、いつでも集団リンチに陥りやすい危険性をはらんでいることを忘れてはいけない。
もう一つ、日韓関係の悪化も危惧される。安倍首相と文在寅韓国大統領の対応は、嫌韓感情、反日感情をお互いにあおって、支持率をあげようとしているようにも見える。トランプ米大統領の「自国第一主義」が世界中で騒動を巻き起こしているが、日韓の指導者もトランプ大統領のやり方と同じレベルではないか。
トランプ大統領だけでなく、ロシアのプーチン大統領、中国の習近平主席、北朝鮮の金正恩委員長、そして日韓の首相・大統領を見ると、理性的で思慮深い指導者ではない。カオスの時代には「強いリーダー」が求められるというが、世界中で人心の荒廃が進んでいるのだろうか。
長い地球の歴史をみると「支配してきた者たちは絶滅する」運命にある。夏バテをして、心が弱くなっているせいもあるだろうが、「人類は破滅の道に向かっている」という持論は変わりそうにない。夏の終わりに、そんなことを思ってため息をついている。
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