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株式会社 廣文館
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コラム・ブックレビュー
広島在住のコラムニストによる “社会時評”コーナー! 月1回のペースで「読むことの楽しさ」をお届けします。

《いつもと違う春》

桜の花が咲き、散っていく。そして、新緑の季節になった。いつものように自然は移り変わる。だが、今年の春は違う。かつて経験したことのない春である。戦後75年になるが、人類最大の危機といえるだろう。

2019年の大みそか、世界保健機構(WHO)中国事務所に、武漢での原因不明の肺炎が報告されてから4カ月。新型コロナウイルスがパンデミックを引き起こした。4月20日午前4時現在、米国のジョンズ・ホプキンス大学のまとめでは、世界の感染者数は237万5443人。死者は16万3372人。最も多いのは米国の74万2442人、次いでスペイン19万5944人、イタリア17万8972人。日本も1万人を超えて連日増え続けている。

海外ではロックダウン(都市封鎖)が相次ぎ、日本でも国の緊急事態宣言が出された。まさに国難である。さまざまなイベントが中止になり、学校は閉じ、飲食店も休業、外出自粛・要請で家の外に出ることさえままならない。今のところ、ワクチンや特効薬がないだけに、手を洗い人と距離をあけるしかない。

新型コロナによる世界の状況は、あふれかえるほどの情報がメディアで流されている。問題はいつ収束するかがはっきりしないことだ。ほとんど休止状態になっている経済活動が、このままパンデミックが長引けば「死体」になりかねない。コロナが収束しても「生きて」いなければ回復しようがないのだ。

人類は戦争、紛争、地震や洪水などの災害などさまざまな危機を体験してきた。しかし、今直面している新型コロナは、そのどれとも違う。この危機をどうやって乗り切るのか。政府や自治体、民間団体、そして個人個人が英知を結集するしかない。そして、いまこそ真のリーダーが必要な時でもある。

私の住む街では、毎日、市役所の拡声機が「外出自粛」を流している。それでも、持病の治療で病院へ行かざるをえないので、マスクをして手を頻繁に洗うようにしている。個人ではたいしたことはできないが、外出や人と会うことを極力控えている。一つ良いことといえば、本を読む時間が増えたことである。巣ごもりしながら本をめくり、過ゆく春を見つめていたいと思う。

【午睡/2020.4.20】


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