なんだか、ホッとしている。4月25日の国政選挙の結果である。参院広島選挙区の再選挙と参院長野選挙区、衆院北海道2区の両補選で、自民党が全敗した。とりわけ広島選挙区では、大規模買収事件で自民党から初当選した河井案里元参院議員が当選無効になったのに伴う選挙だ。これで自民党候補が勝っていたら、広島にいることが恥ずかしいと思う。
別に、自民党候補の西田氏に恨みがあるわけではないし、当選した宮口氏をよく知っているわけでもない。今回は「政治とカネ」が問われた選挙である。河井夫妻がカネをばらまいて逮捕された事件で、今、自民党にお灸をすえなくていつするのだ、ということである。
2019年7月の参院選で、自民党本部は河井案里氏に1億5千万円の政治資金を配った。現職の自民党候補だった溝手顕生氏には1500万円だったので、いかに河井候補を優遇したかが分かる。そのカネが買収に使われたどうかは分からないが、選挙資金に使われたのは間違いない。
その元のカネは、政党助成金である。つまり、「国民の税金」である。いまから26年前、政党助成金が国から各政党に交付されるようになった。汚職事件からの反省で、企業から政党や政治団体に政治献金を制限する代償として成立した制度なのである。
国民1人当たり年間250円。2021年の政党助成金は総額320億円。自民党は170億円、立憲民主党68億円、公明党30億円などとなっている。共産党だけ拒否している。「コーヒー1杯分」で政治をよくしよう、という趣旨だが、企業からの献金は相変わらずなくなっていない。政党助成金が何に使われているのかも分からない。買収資金に使われているかもしれないのだ。
政治の劣化がこれだけ叫ばれているのに、「政党助成金をやめてしまえ」という声がなぜ大きくならないのだろう。ほとほとバカらしくなる。日本の国民はよくよく“お人良し”に出来ている。繰り返して言う。政党助成金をやめる運動を起こそう。
|