棚を整理していたら、セロファンに包まれたマスクが出てきた。使用しないまま放っておかれたものだ。厚生労働省から昨年送られてきた、いわゆる「アベノマスク」である。一般のマスクより一回り小さく、“バカ殿”が鼻を出して掛けていた姿を思い出した。
このマスク、後日談が先日あった。政府が2億8700万枚(400億円)用意して全戸に2枚ずつ配ったが、希望する施設が減ったために約8200万枚が残り、その倉庫保管料が6億円になっている、というのだ。何という税金の無駄遣い。立憲民主党の蓮舫議員が「この6億円、安倍(晋三)さんに払ってもらった方がいいんじゃないか」と言っていたのは同感だ。政府の対応について「当時の状況においては適切だった」という官房副長官のコメントにも笑ってしまう。
新型コロナウイルスによる「パンデミック」は2年近くなるが、いまだにマスク生活が続いている。JRの電車に乗っても、街に出てもマスクをしていない人は1人もいない。マスクを忘れると周りの人たちの目が気になり、あわててコンビニで購入したことがある。「同調圧力」はかなりのものだ。
日本は第5派の波を超え、今のところ新規感染数が大幅に減って落ち着いている。ワクチン接種率が75%を超えるまで進んだことが、1番の要因だろう。だが、世界を見るとブレイクスルー感染者が増えるなど、再拡大している国が結構ある。感染が再拡大しているドイツやイギリスの映像を見ると、ほとんどがマスクをしていない。
日本人って本当に律儀で真面目と思う。マスク着用について、「息苦しい」「メガネがくもる」などから私自身は「早く外せる日がきてほしい」と願う。だが、必ずしもそう思う人ばかりではない。「欠点が隠せる」「手抜きメイクでいい」「表情が読み取られない」「笑わなくていい」などなど、マスク着用にメリットを感じている人が結構多いというのである。
「顔が覚えられない」 と思う人、逆に「顔や表情を守ってくれる」と思う人、と是非論は分かれるようだ。第6派予防のためにも、まだしばらくはマスク着用が必要だろう。これだけマスクをし続けると、慣れてきてマスク文化やマスク依存症も出てきそうだ。さて、皆さんはマスクをどう考えておられるのだろうか。
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