「春の第1波、夏の第2派、そして秋からの第3派とコロナの波は繰り返し押し寄せる。そのたびに、人の移動、3密を避けるよう自粛が叫ばれる。親しい友人と酒を飲みながらおしゃべりする、というごく普通の楽しみが奪われてしまった。巣ごもり生活が続くと、ストレスがたまる。うつ状態になる人も多い」
昨年末のコラムの一文である。新型コロナウイルスの「パンデミック」は、2年たっても終息していない。「コロナに明け暮れた年だった」が、そのまま今年も使える状況だ。まったくの想定外である。人類とウイルスの戦いは、尽きることがないのだろうか。
昨年と違っているのは、ワクチンを2回接種してことだろうか。ワクチン接種が行き渡ればコロナ禍は収束するはずだった。確かに、ワクチン接種が進むにつれて感染数が減少して、収束する方向に向かっていた。とりわけ日本は感染数が激減し、一部で経済活動が再開された。
ところが、そうは問屋が卸さない。脅威を振るった「デルタ株」がようやく収まったと思ったら、こんどは「オミクロン株」と呼ばれる厄介な変異株が世界中に広がっている。2回のワクチンを接種していても感染するようである。仕方なく、忘年会は新年会に延期した。その新年会も果たしてできるかどうか心もとない。
例年、盆と正月は故郷に帰省するのだが、2年帰っていない。今年も妻と2人の正月になりそうだ。寂しい正月を過ごす同じような人たちが、きっと多いのだろう。台湾にいる3人の孫たちとは、2年半も会っていない。正月はもちろんだが、来年の夏休みは帰省できるのだろうか、と気をもんでいる。
本当に、コロナが世の中を変えてしまった。しかし、嘆いてばかりではらちが明かない。少しでも楽しいことを見つけるなど、前向き志向にしたい。コロナ禍だからこそ、ゆっくり本が読める。日ごろ忘れていた手紙を書くのもいい。ちょっとした出来事に喜びや感謝もできる。祈りの時も持てる…。普通に人と会い、会話をすることができる日々が戻ってくると信じよう。朝のこない夜はない。
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